なぜFXでキャリートレードが使われるのか

なぜFXキャリートレードが使われるのか

金融の理論では、リスク・プレミアムがない状況では、為替のフォワードの直先の開きは金利差に等しく、他の条件に変化がなければ、スポット為替もそれに収斂していくと考える。例えば、1年の米ドル金利5%、円金利1%としよう。そしてスポット為替を1ドルno円とすると、1年後のスポット・レートは105.81円となる訳である。実際に、1年物のフォワード為替レートは、この水準で取引されるわけである。さもなければ、裁定が働いて、利益を市場リスクなしに稼得できることになる。

 

1年後のフォワード価格"CO水準の決定は、このように両通貨の金利水準が反映している。 ドルの金利が高ければ高いほど、フォワード価格はより円高になるわけである。

 

さて、実際に、このケースで1年後のドル円為替レートがフォワード価格の105.81円になるということはほとんどない。これよりも円安になることもあるし、これ以下の円高になることもある。キャリー・トレードを行う投資家は、上の例では1年後にはドル円為替は105.81円のような円高にはならないと見ているからである。

 

少なくとも、短期的には理論どおりには為替レートは動かないし("forward bias")、過去もそうであったことはないので、投資家はキャリートレードを行うのである。

世界に台頭するクレジットリスク

世界ではいまクレジットリスクが蔓延している。国際基軸通貨の信用がくずれ、ユーロもギリシャ問題などで風邪をひいている。日本も莫大な借金をかかえ財政は破たん寸前である。FXはもとより、クレジットリスクが蔓延する日本国内で金融資産をどのようにに守るのかを考えてみる。