米ドル対人民元の構図

人民元は米ドル覇権に対抗する通貨になりうるか?

さて、この恋のさや当てをジッと見守ってきたのが中国だ。主要三極通貨は米ドル、ユーロ、円ともに構造的問題を抱えており、FXの世界で数少ない人気通貨が人民元であろう。ソブリンリスク(国家の信用リスク)が一番薄いのも人民元だ。ただし人民元はいまだ管理通貨であり、北京奥の院の政変などイベントリスクも計りがたい。

 

歴史の流れで見れば、人民元を中心とする通貨ブロックが出来ても不思議はない。ユーロが炎上した今、米ドル覇権に対抗できる通貨は他に考えられない。ただし、人民元のアキレス腱は、2兆4000億ドルまで膨張した外貨準備の7割近くを米ドルあるいは米国債で保有していること。自国の資産を米国に人質に取られているようなものだ。人民元を実質米ドルにペッグして、自国通貨が高くなることを防ぎ、中国製品の国際競争力を維持してきた政策の必然の結果ではある。

世界に台頭するクレジットリスク

世界ではいまクレジットリスクが蔓延している。国際基軸通貨の信用がくずれ、ユーロもギリシャ問題などで風邪をひいている。日本も莫大な借金をかかえ財政は破たん寸前である。FXはもとより、クレジットリスクが蔓延する日本国内で金融資産をどのようにに守るのかを考えてみる。